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 私たちは、東北地方の厳選した食材を中心に据え、ローカルで現代的な西洋料理を提供しております。
 レシピやジャンルは手段に過ぎず、大切なのは個々の素材に対する最適なアプローチであり、「本質的で美味しい料理を提供する」というシンプルな目的のもとに、日々のお客様をお迎えしております。
 料理を構成する骨格が土地に由来するものでなければ、敢えてそこでやることの意義を見出すことは出来ないかと思います。自然に寄り添い、調和のとれた健全な生産に帰依し、自由で魅力的なひと皿を表す。東北で東北のいまを(料理として)お伝えすることは、世界に通ずる、また、未来へつながる普遍的な価値の創造になるものと信じています。
 あまり細かな規制は設けず、その季節に、その土地で採れたものを純粋にお楽しみいただけるよう努めておりますので、お気軽にご来駕くださいますようお願い申し上げます。


 店舗界隈は、城下における交通や商いの要地として繁栄してきました。新たな活気と活動のエネルギーにも満ち、伝統と先進を巧みに共存させながら、時代を超えて輝きを放つ特別なエリアです。
 緑豊かな青葉山、広瀬川の清流、市民憩いの西公園、歴史と文化を継承する大橋、欅並木に彩られた青葉通り。仙台に在って最も仙台らしく、自然と調和した美しい景観を形成しながら、市中心部随一の魅力的な環境が護持されています。
 「質素で洗練された素朴さ」が表現された店内、そのコンセプトは「或るホテルのロビー」です。あくまでも主役は食と人であり、不要な装飾を省いたシンプルでモダンな内装は、落ち着いてゆっくりとお食事が楽しめる快適な空間となっております。喧騒から解放され、豊かな自然と非日常的な雰囲気のバランスが保たれた心地の良い店内には、ゆっくりと上質な時間が流れます。


 昨今の混乱を経て、レストランの在り方や価値観は大きく変化してゆくものと考えます。「いちレストランとしてどのように社会と繋がり、如何にして貢献できるのか」。また、「我々の一挙手一投足が社会に対してどのような影響を及ぼしてゆくのか」。複雑さを極める情勢と、食をめぐる環境の変化の中で、生産者と消費者との間に立ち、双方を啓発することができる立場にいることを自覚せざるを得ません。
 私たちには、「これからのレストラン」の新たなロールモデルを築き、その真価や可能性を追求しながら、業界の牽引を担う役割が与えられているようにも感じています。
 クリエイターではなく、レストランは媒体であり、作り手はエディターであるものと考えます。優れた素材に編纂を施し、料理を綴り、食べ手に対して的確に伝達すること、繋げることが先ず以て重要であり、地域社会や自然環境と深い関係を築きながら、その土地の一部として共に成長し、食文化を中心に社会の発展を助長する(=未来へつなげる)最も能動的なレストランで在りたいと考えています。
 レストランはただ単に食事を摂る場ではなく、人や文化、価値観や感性が集まり交わる空間へと変化しています。「食べる」という行為が、いかに人を癒し、幸せや感動を与え、人生を豊かにするものであるかを、このレストランを通して少しでも感じていただければ幸甚に存じます。

TAWARAYAMA Yosuke

俵山 陽介

東京生まれ
都内のレストランを経て、国内のホテルに勤務
後ヨーロッパ、アメリカでの勤務を経て
18年より市内のレストランに勤める
22年秋に開業

chef